北海道トムラウシ山での遭難事故にはただただ憤りを感じる。
一登山者として。そして登山ガイドをしていた者として。
このニュースを初めに耳にしたのは16日の夜。読谷村の居酒屋のTVニュースで。この段階では状況は把握されていなかった。
KちゃんちにはTVはないのでその後のことが判ったのは帰りの機内のニュースで。
死者はガイドを含め8名になっていた。
登山ツアー客15名のうち約半数の7名が死亡なんて,絶対に!絶対に!あってはならないことだし,有り得ないことなのだ。
雪山で雪崩に遭うなら解らなくもないけど,それだってあってはならないこと。
asahi.comの記事によると
「高千穂有康営業課長は捜索後、「8人もの方が亡くなり,過失がなかったとは言い切れないが,ガイドの1人はベテラン。適切な判断があったと信じている」と話した。」
とあるけれど,何言っちゃってんの?この課長は!適切な判断がなかったからこんな事態になったんだろうが!
まともに立って歩けないほどの風雨の中でツアーを強行したのは誤った判断以外の何ものでもないよ。
北海道までわざわざ行ったのだから山頂に立たせてやりたいというガイドの気持ちは解らなくはない。ましてやトムラウシ山は日本百名山のひとつでピークへ立つことの拘りを持つ人もいるだろうから,その思いは強かったのかもしれない。
でも,安全より優先するものはないのだよ。命を守ることより優先するものはないのだよ。
それは絶対なのだ!
私も何度か北海道の山のガイドをしたことがある。
1日目>緑岳第一お花畑までの往復。(だったかな?記憶は曖昧。)
2日目>層雲峡〜黒岳〜旭岳〜旭岳温泉
3日目>十勝岳温泉〜富良野岳〜上ホロカメットク山〜十勝岳温泉
4日目>観光
というスケジュールのツアーを担当したことがある。
2日目の縦走は長丁場のため,それを終えた時点で疲れが出ている人がいた。
3日目,自ら疲れを理由に登山はせず温泉で休むと申し出た夫妻がいて,残りのメンバーで富良野岳を目指す。雨に降られたこともあり,歩調が遅れがちの人が出て来た。上ホロへの分岐で体調の確認をし,2名が富良野岳は断念し,その場で登山ガイド資格を有した添乗員と共にツェルトを張って待機。残りのメンバーで富良野岳を往復し,分岐の戻った時点で天候とメンバーの体力を考え,上ホロへの縦走は断念して十勝岳温泉に戻った。体力に自信があった男性客2人は上ホロへ行かなかったことを若干不満に思ったようだが,他のメンバーの安全を優先しての判断に間違いはなかったと自負している。
ツアー登山に従事している多くの登山ガイドには何の補償もなく,使い捨てのようなところがある。客の命を守ることは言うまでもないけれど,事故が起きることによって賠償責任を負わせられることから自分を守ることも必要なのだ。
ツアー会社のアミューズトラベルは,「判断は現場に任せている」と責任逃れの発言をしているけれど,ツアーのスケジュールは非常にタイトで,そこにも無理はあったはず。
今回のツアーでの遭難だけに限らず,個人の登山での遭難事故も,その原因は無理な計画や無茶な行動,ほんのちょっとした不注意による人災で,ほぼ100%防げるものなのだ。
登山という娯楽,遊びに,命をかけてはいけない。
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